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いけばな随想
diary

いけばなのタイトル 250223

2025/2/23

 自分のいけばなに、時々タイトルを付ける。付け方には2タイプあって、テーマを突き詰めてタイトルにするものと、花にはお構いなくキャッチーさで題名を付けるものとである。
 前者は、自分がいけばなで目指したところの雰囲気や意図をタイトルにするけれど、意図を言葉にしてもしっくりこなくて、自分でがっかりすることも多い。後者は、テーマが糞まじめな場合に親しみやすさを演出したり語感優先で選んだりしているので、そのタイトルがちゃんと作品を表徴しているとは全く言えない。
 さて、筒井康隆が著作『点景論』の中で「万人が万人ともタイトルと内容の一致を認める著書などあり得ない。あるとすればそれは内容をそっくりそのまま一字一句違えずタイトルとした場合に限られる」と言っている。
 文字で起こした文章ですら少ない文字にしてしまうと何か物足りないのだから、花で表現したものを文字で端的に言い表せなくて当然だろう。絵画においても、作品名を付ける人と「作品49」とかの記号で表す人と「無題」と書いてしまう人がいる。私は、作品と作品名のギャップを楽しむ輩である。

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