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いけばな随想
diary

いいものをあれこれ見よう 250205

2025/2/6

 世間が思っているほど、「草月ふう」のいけばなというきちんとした類型はない。世の中、銀行員ふうだとか、遊び人風情だとか、しきりに類型化したがるけれど、例外が多過ぎて結局はよくわからない。
 それでも世間は意固地で、教員や警察官や役場職員はキチンとしなければいけない、いいや、キチンとしているはずだと思い込んでいる人が多く、そういう輩に限って政治家は嘘がつけるくらいでなくちゃ務まらんなどとうそぶく。いけばなを見るにもそういう固定観念のようなものを持っている人がいて、絵に描いたようなしとやかさを常に求められても無理だし、花の名前を全部知っているかのように聞かれても知らないものは知らない。
 もちろん私はいけばなが好きだ。だからといって、いつも「草月らしさ」を意識しているわけではない。過ぎたるは及ばざるがごとしと言われるように、わざとらしく鼻に付くような真似はしたくない。
 何かを決めつけず、いいものをたくさん見る習慣があれば、その人の知識や感覚の平均点がどんどん上がり、さりげなくやったことが、いい味を出すようになるのだろう。

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