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いけばな随想
diary

わからない面白さ 250802

2025/8/2

 最初に行った外国が、スリランカだった。英語表記もないし、基本的に外国語が通じない。日本の昭和の田舎町と同じだ。わからないことを楽しめるのは、旅行だからである。とにかくわからないのだから、暮らせと言われたら途方に暮れるだろう。
 上半身裸でキコキコ自転車を漕ぐ人が、私に向かって手を振った。ガイドに聞くと「あれは日本の商社マン。あの人は、あなたが日本人とわかったね」首都コロンボの町には日本人の人影が多く、「あれはどういう人か」と問うと、ガイドはいつも「商社マン」と答える。シラサギのような鳥があちこちにいて、「あの鳥は?」と聞くと、答えはいつも「ウサギ」。この現地ガイドにかかると、日本人は全部商社マンで、白い鳥は全部ウサギだ。
 わからないことを一旦受け入れてしまうと、あとは楽ちん。食堂で不思議な物を食べても、寺院で猿に取り囲まれても、全部「こんな感じなんだー」と楽しめる。気分を言葉に変換しなくてよい過ごし方は、ことのほか面白がれることを知った。まだ言葉を覚えていない子どもの感覚かもしれない。始めた頃のいけばなも然りだ。

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