汀州Japanlogo 汀州Japanlogo

いけばな随想
diary

不味い花 250521

2025/5/22

 18歳の頃から外食は多い。その私が言うのだから信じてもらう。とても美味しい店と不味い店が少しあって、残りは全部普通に美味しい店である。
 考えてみれば当然で、調理が上手いから飲食店を開く。ハサミが得意だから床屋になる。運転が上手いからバスやタクシーを運転する。歌やギターが得意だから歌手になる。まあ、逆のパターンもなくはない。その職業に就いたからこそ腕前が上がるという、努力家型のパターンだ。しかし、ハサミ使いが苦手な床屋、運転が下手な運転手、音痴な歌手などと同様、調理の下手な味オンチの料理人はいただけない。
 昨晩、不味すぎる店に大当たりしてしまった。妻はもともと料理学校の校長で、料理の見かけにも味にもうるさい。不味そうに見える料理が美味いはずがないという持論があるし、不味い店は外観だけでもすぐ分かると豪語する。それが体調不良のため感覚が働かず、うっかり入った店が最悪だったというわけだ。
 天ぷら盛合せのヒドい姿を拝みながら、話題はヒドいいけばなという話になった。いけばなは幸いにも食べ物ではないから許す、とのことである。

講師紹介