人工的なモノ 240727
2024/7/27
私の子ども時代は、メンコやビー玉、銀玉鉄砲やブリキの玩具などが全盛で、学年が進むとプラモデルやリモコンカー、ミニチュアカメラや安物の天体望遠鏡などが宝物となった。夏休みには、昆虫標本をつくることと、天井からテグスで吊られグルグル回って飛ぶウロペラ飛行機に熱中したりした。水面や水中で動く潜水艦模型も楽しかった。
少年の私にとって、昆虫の世界も天体も、空や海なども、広い自然界は未知のアドベンチャー・ワールドで、それと同様に人工的な機械仕掛けの世界も謎に満ち満ちたワンダー・ワールドだった。
草月カリキュラムには、異質素材の扱いを学ぶ課程がある。いけばなを始めた頃、異質素材を使うのは邪道ではないかと感じ、そういう作品を見ると嫌な気分になった。自然に枯れたり風化したりする材料を使うことが良しであり、なかなか腐らない人工物を使うことは悪手だと思っていた。
しかし、花器も人工物ではないか! 自然由来の花材と人工的な材料を融和させることこそいけばなの醍醐味なのかもしれない。今はそう考えて、その両方を同格に扱うよう心掛けている。