伝統とは? 260105
2026/1/5
まずは体の構えがあって、次に心を入れるという順序が、習い事の初期段階ではないだろうか。身構えができてはじめて心構えに向かう。神様も、依り代があってこそ降りて来られる。カタチは大事だ。
伝統というものは、その奥義を易々と覗き見ることができない。いけばなも「型」を依り所として、蜘蛛の糸のように心細い糸を頼りに“奥の院”に降りて行かなければならない。頼るものが何もない状態で、一気に核心に触れるような跳躍は難しい。
昭和の時代、良妻賢母になるための習い事が盛んに行われた。料理・裁縫・お茶・いけばな等々である。それは、自分を表現する手段というよりも、女性に対して自分を殺して戦後日本を安定成長させるために仕掛けられた罠であった。逆に男性は、そういうことに見向きせずひたすら生産行動に邁進すべく方向付けられた。
いけばなの伝統は、そこで一旦途切れている。そもそも、いけばなが興ったとされる室町時代の日本家屋は板張りである。常に正座でいけていたとは到底考えられない。日本の四季と特別感を出そうと思っても、世界中にそれなりの四季はある。