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いけばな随想
diary

伝統文化か新文化か 260131

2026/2/1

 文化の振興は悪くない。しかし、悪い癖で私は何にでも疑問を持つ。文化は歴史を振り返って認識できるけれど、新たに短期間で定着させられるようなものではない。つまり、文化は地域の土壌や生活に沁み込んでいるいるもので、またはその分野を取り巻く世間で常識化されてきたものであって、意識的に掬い上げようとした途端に、それは砂上の楼閣として崩れ去る宿命だ。
 たとえば、日本の伝統文化の1つとされるいけばなを、もう一度定着させようという目論みは、捨て難いけれど苦難の道だ。既に生活現場から追放されつつあるこの文化は、遺失文化の象徴である。薄れゆく影に光を射すと、完全に見えなくなるように、侘び寂びという美的観念も、いけばな世界からはほぼ失われた。
 残念ながら、いけばな教室も人工照明によって明るい。花器も色とりどりである。伝統的ないけばなを再現するには、いけばなの容れものである家屋や調度から変える必要がある。
 しかし、実際には、多くの流派が新しいいけばなを模索してきた。ただ、生活文化の変貌が甚だしくて、いけばな文化の進化が追い付いていない。

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