入口はカンタン 250321
2025/3/21
やり始めは何でも簡単だ。周りの人の協力や的確なアドバイスをいただいて、思ったよりもうまくできる。しばらくやっているうちは、ひょっとして自分には適性があるんじゃないかと自惚れたりもする。自惚れることは結構大事で、それによって継続する意欲が湧く。周りのおだてもあって、ますます入り込むという流れができる。
そうやって私はいけばなを続けた。まともな人は3ヶ月もすれば少し躓くことも出てきたり上手くいかない苛立ちを覚えるものだが、私は2年以上スランプがなかったように思う。反省しない猫のようだ。
それでも3年くらい経つと、他人の作品の意図が見えるようになり、自分の作品が単に手遊びに過ぎないと感じられるまでに成長した。どのように花をいけても下作に見えてしまった。それで、いけばなというよりオブジェと呼んだ方がいい作品に逃げたりもした。手を抜く気持ちは全くなかったのに、私が手を抜いたかのような批評を聞くこともあった。
こうして修行を重ねるうちにまた新しいステージの修行道場が現れ、紆余曲折しながらその人生ゲームのコマを1つ進めるのだ。