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いけばな随想
diary

初心者の恐さ 250527

2025/5/27

 1960年生まれの私の青少年期に、コンビニエンス・ストアが登場したとされている。だから私の人生はその発達史とともにある。
 東京で大学生をしていた私は、随分とセブン・イレブンにお世話になった。20代中盤から松山で暮らし始めて、ナイトショップ「さくら」とか「いしづち」にお世話になり、そのお陰をもって夜型人間になってしまった。コンビニエンスな環境は人間をダメにすると当時から薄々感じていて、現在は全くその通りだと力説したい。
 つまり、便利が大きくなると、努力や工夫が小さくなる。努力や工夫が小さくなると、大技が出せない体質になる。「欽ちゃんの仮装大賞」が面白いのは、専門家でも芸人でもない普通の人が、その人の全知全能と全体力を賭けて圧倒的な非効率さでプレゼンテーションするところにある。業界人であればもっと効率的で効果的な演出が可能かもしれないけれど、それを知らない人間が前時代的とも取れるくらい無理をして工夫を凝らす姿には、誰もが感動する。
 いけばなも、手慣れた人の作品は想定内に収まるので、初心者の頑張りに勝てないことは多い。

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