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いけばな随想
diary

山の郵便配達 250614

2025/6/14

 フォ・ジェンチィ監督の映画『山の郵便配達』、そしてケビン・コスナーの映画『ポストマン』。どちらの題名も郵便配達だが、テーマに共通性はない。また、前者を静とすれば後者は動で、性格もまるで異なる。類似を無理矢理見つけようとすれば、郵便配達の務めを受け継ごうとする若者が登場することだ。
 フォ・ジェンチィ監督には、10年以上前に来県した時に会った。静かに感動したことを静かに伝えたかったが、通訳はうまく表現してくれただろうか。今日、『ポストマン』を再び観た。
 どちらの映画でも郵便配達の務めは厳しく、常識的にはその働きに見合った報酬は得られない。普通に愛媛県の郵便配達を考えてもわかる。雪の降りしきる山あいの寒村に、黒い空が降りてきた山道をたった1人で向かう心細さ。数十円の切手代で、それは完遂される。
 仕事の満足は報酬額によっても得られるし、使命感の達成によっても得られる。資本主義下では必然的に搾取が起こる。それで公共性の高い事業は国家事業とされてきた。郵便事業が民営化された代わりに、森林保全と活用を国家的事業にしてはどうか。

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