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いけばな随想
diary

手持ちの技 241210

2024/12/12

 いけばなは芸術の仲間だと言いたい気持ちと、いけばなは職人技だと認めてもらいたい気持ち、どちらもあるし、どっちだっていいじゃんという思いもある。
 いけばな教室で教えているとき、私はどちらかといえばアーチストとして生徒さんにいけて欲しい気持ちの方が勝っている。自分自身への言い訳にもなるが、私は自分の作品に満足したことがないし、アーチストとしては他人の作品にも100%降参したことがない。
 ところが、職人としては、他人の作品にひれ伏すことが多い。否、作品にというより、技術に対して感心している(感心するという表現はとてもおこがましいことであるが、創造力に対して感動することはあっても、技術力に対してはなかなか感動は得られない)。ともかく、他人の技術について、このところ感心している自分が増えた。手持ちの技だけでは、作品づくりが思うようにいかない。
 手持ちの技だけでは、自分の創造力を超えた作品をつくることはできないことが、やっとわかってきた。技が創造を支え、創造を望むことが新しい技の習得につながる。手持ちの技を大いに増やすべし!

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