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いけばな随想
diary

施設の迎え花 250603

2025/6/3

 明朝、子規記念博物館の玄関に花をいけさせていただく。俳句は言葉を選び抜いて作られる短詩なので、いけばなもそのように最小限で取り組むべきかと考えたりして、ついつい身構える。花器も格調とシンプルさとが融合したものをと思い、笹山工房さんで買い求めた四角い蒼っぽい花器で臨むことに決めた。
 今日は、その花器にいける花材を探しに行った。結局のところ小心者の私は、いわゆる和風にまとめるべきだろうかとか、子規の俳句からインスピレーションを得るべきだろうかとか、まるで一夜漬けで入試に向かう高校生の気分で悪あがきをしているのだった。
 少なくとも俳句に興味のあるお客様が来られる施設である。あるいは俳人正岡子規に関心のある方が来られる。そういう方々をお迎えするのに、季節感が全くないようでは困る。安っぽいと思われるのも不甲斐ない。そして、派手派手しいのもイヤらしい。子規記念博物館の受付や切符売場は2階にあるので、1階の玄関でお出迎えするのは私のいけばなだけである。ほら、責任重大ではないですか? どういうコミュニケーションを狙いましょうか。

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