日々の景色 250704
2025/7/4
昨日は、松山商業高校華道部の活動日だった。稽古には草月流のテキストを使う。各カリキュラムには、立面図(正面図)と平面図が示されていて、花材の長さ、角度がわかるようになっている。立面図に示される花材の角度は、床面を基準(0度)とした立ち上がりの角度である。平面図に示されるのは、正面を基準(0度)として奥に向けて広げる角度である。
華道部員たちと付き合ってきて、見えてきたことがある。人間は自分の身長の範囲で物を見ることが多いからか、立面図は得意でも真上から見下ろす平面図は苦手だということ。
この2つの図面は、家を建てる際に施主が請負業者と相談するときにも必要で、図面から実物を想像する能力がなければ打合せが進みにくい。私は美術部員として、演劇スタッフとして、デザイナーとしてのキャリアが長かったから、3次元空間の把握力がまあまあ高くなったのだろう。
鳥が見る景色とトンボが見る景色、魚が見る景色と人間が見る景色、それぞれ大きく違うことは知っていたけれど、同じ人間同士でも、きっと景色の見方がそれぞれ異なっているのだ。大いに。