曼殊沙華 250929
2025/9/29
30年くらい前、松山市窪野町の奥の方まで行って、曼殊沙華が咲き乱れた風景に息を吞んだことがある。耕作放棄で雑草やススキが生い茂った畑地を、畦に沿っているのだろうか何重にも折り重なるように真っ赤な花が行列をなしていて、それ自体が葬列のように見えた。せり上がっていく草地の向こうには、住居か納屋の朽ちた板壁と屋根瓦とが見え、薄い雲がかかった遠方には皿ケ峰に続く山が壁のように据わっていた。黒澤明監督の映画のロケができると思った。
数年後に行くと、区画整理で一帯が明るく整い曼殊沙華の本数も減っていて、そこで暮らすのではない私にとっては写真に撮るほどの興味が湧かない光景だった。
たいてい「ヒガンバナ」として売られているが、先日JAの直売所では「リコリス」だった。「リコリス」の名では陰のある美しさのイメージとかけ離れてしまう。
その赤い「リコリス」は、家の花瓶に真っ赤なケイトウと一緒に挿していて、蕾だったものは翌日から咲き始め、5日目のきのう満開になったものもある。切り花だと早く枯れると思った割には順次咲いて、今日も真っ赤だ。