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いけばな随想
diary

正解のないいけばな 251030

2025/10/30

「簡単に言えば云々」ということが、よく言われる。いけばなとは簡単に言えば、はなをいけることである。これで終わると身も蓋もない。いけばなは、華道と呼ぶ世界よりも広い。しかし、何でもあり、ということでもない。
 ともかく、剣道や柔道、書道や茶道に比べて、いけばなと呼ぶようになってからの華道は、より一般の方々には分かりにくい存在になってしまったようだ。華道の構えを持ったままで、繰り出す技が多彩になり、ついには反則技までも許容してしまったのがいけばなである。言い方が上品でないかもしれないが、解りやすく言うとこうである。
 特に日本人は良い意味で保守的だから、混沌とした国際社会において“伝統が失われていない日本文化”が注目され、浮世絵などは明治時代から外国人に買い求められた。今では抹茶の品不足が起こり、包丁が高値で売れ、日本酒の輸出も多くなった。
 国際化がいち早く進んだものの1つが柔道であろう。青い柔道着も定着し、外国人の審判も増え、国際ルール化が進んだことで、エンタメ性が高まった。いけばなは、華道に比べると正解の範囲が広い。

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