花との対話 250222
2025/2/22
亡き母の誕生日である。彼女の晩年は俳句や俳画、油絵や篆刻に人生を割いていた。私が母を顧みなかったから、母の対話相手が人間ではなく花や虫になってしまったと申し訳なく思っている。
しかし、花や虫のいいところは、人それぞれのペースに合わせて対話してくれることである。花はまた、相手の人の求める深さや広さ、早さにも調子を合わせてくれる安心な存在だ。業務上のプレゼンで急いでたくさん喋ることはしんどかったし、企画コンペの場では競合他社の提案はいいなと思っても、自社代表として自分の企画を優れたものとしてゴリ押しする必要があった。人間同士だと対話よりも主張の衝突が多く、学生にもディベート力が求められたりして同情する。
昨晩のテレビで「椿の花はなぜ冬に咲くか?」という問いが設けられ、答えは「メジロやヒヨドリに蜜を吸わせて花粉を運んでもらうため」という答えが示された。それを知ったところでいけばなにどう関係するの? と思うかもしれないけれど、今度から椿との対話に幅ができ、より理解が深まってパートナーシップみたいなものが生まれると嬉しい。