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いけばな随想
diary

花の名前 250808

2025/8/9

 お稽古の花材でソテツの葉を用意したことがある。花材名を「ソテツの葉」と生徒さんに提示した。別の日には「ソテツ」と提示していた。
 先日、花材でツバキを用意して出すと、生徒さんからツバキは花がなくても使うんですねと(若干の不満を感じさせる面持ちで)言われ、「ツバキ」と聞いたら花が咲いている様子をイメージするものなんだと改めて気付かされた。花がない場合、「ツバキの葉」と言ってあげた方がよいのだろうか。
 常識の範囲の話として、いけばなで使う花材はだいたい根っこより上の部分を使うから、「ソテツ」と書いても「ツバキ」と書いても、誰も根っこが付いているとは思わない。しかし、正月に使う根の付いたマツは、「根引きの松」という特別な名で呼んであげる慣例だ。つまり、常識や慣例に照らして一般的でないもの、例外的だったり特別だったりするものに、説明的な名前を付加する。
 だから普段は、玉井が足で走ったとは言わなくていい。玉井は口で喋ったとは言わなくていい。けれども、心で呼びかけたりテレパシーを使う時は、そう言ってあげないと気持ち悪がられる。

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