花の贅沢 250523
2025/5/24
花は野菜の親戚である。作るのは農家さんだし、それぞれ旬があるのも同じだし、ビニールハウスで栽培するなどしてある程度は通年で生産できるのも似ているし、流通の発達によって気候の違う場所で栽培されたものを持ってくることもできる。これをつまらんと感じるか、贅沢だと感じるか。
花は野菜の遠い友人だ。野菜は買ってきて冷蔵庫の野菜室に入れておけば数日間は食べられる。花は野菜と仲良しみたいな顔をしていながら、家庭の冷蔵庫には入らない。ジャガイモやミカンみたいに放ってもおけない。だからちょっと余分に花を買ったとき、もったいないからストックしとこうという作戦が取れない。持ち帰ったら即いけるのが鉄則で、花束をもらっても悠長に眺めていないでサッと花瓶にいけよう。
花は野菜とは他人かもしれない。何より調理できない。刻んだとしても炒めたり茹でたりできないし、醤油や塩との相性も悪い。
切り花の一生はとても短い。品種によってはパッと咲いて翌日にはしぼんだりする。見ているその日のうちに散り始めたりする。見るだけなので、カロリーも一方的に消費する。