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いけばな随想
diary

花を調べる 250517

2025/5/17

 図書館は昔、検索エンジンの役割を果たしていた。本を貸し出すだけでなく、レファレンス・サービスがあった。特に国会図書館は充実と呼ぶ以上の充実度で、あるとき国会議員の支持者から「息子の卒論を助けてくれ」という依頼が入り、下っ端秘書をしていた私にお鉢が回ってきた。
 議員にとって国会図書館は知識の泉で、些細なことを聞くのは逆にはばかられたが、困れば何でも調べてくれた。国会での質問や答弁のために重宝するわけだ。質問をどのように投げるかによって、回答の内容と量も変わってくるので、質問のしかた次第で、大学生の書く卒論ごときは数日間で仕上がってしまうのであった。さすが国立国会図書館である。
 質問のしかたが大事なことは、現在の生成AIを使う際も当てはまるだろう。質問が漠然としていると、調べ方も漠然とする。何かを調べるときに、仮説を立てておいてからその真偽や成否の検討を始めると、当たりを引きやすい。
 ありがたいことに、草月には『現代いけばな花材事典』があって、植物に対する自分の下手な検索よりも、知りたいことが丸ごとわかる優れモノだ。

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