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いけばな随想
diary

花材の調達 251031

2025/10/31

 工業化だの情報化だのグローバル化だの、現代社会は大きな変化を伴ってつくられてきた。これはひとえに生産する側がもたらした環境変化であり、その生産する側からの働きかけによって、消費する側もその恩恵にあずかってきた(翻弄されてきたという感が強い)という認識はある。
 今日のニュースで、唯一営業を継続していた砥部焼の陶石採掘業者が、事情で経営を停止するという爆弾発言を行った。砥部の陶石がなくなると、これ以降愛媛の伝統的産品がどうなってしまうのか!? という衝撃的な事件である。
 いけばなは、昔は自給自足的に身の回りの花木を切り花にしていたと想像するが、現代では生産する側(軸となっているのは生産者よりも流通)に依存しつつ、商品としての花を消費して組み合わせるのが一般的だ。裏山もなければ庭もない人が多いのだから。花の供給がストップすると、もういけばなは成り立たない。
 ひところ、農産物生産者が販売まで行う六次産業化が話題になっていたのとは逆に、いけばなをする人が自ら花木栽培を行う必要性が出てきたということだ。滅びる前に考えなくては。

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