草月スタイル 251218
2025/12/18
若い人たちに聞いた。「無人島で過ごすのに何か1つだけ持っていくとしたら、何?」寝袋、ライター等々の回答は予想の範囲だったが、「親不孝をし続けた母への、感謝の気持ちかな」と、首までタトゥーを入れた男が静かに言った。回答の意外さに驚くとともに、私はその男の風貌と照れ方のギャップにも面食らった。
昭和35年生まれの私は経験的に、見かけがその人の人間性をも規定するというくらい、外面と内面に相関性があると見なす傾向が強かった。もちろん、人間性が身なりや立居振舞を作り出すという逆パターンもある。
私は大学生として上京するまで、大学生はみんなバンカラで、画家はみんな貧乏で、小説家はみんなヘビースモーカーだと類型化して思っていた。実際、小説家のプロフィール写真は、咥え煙草がホントに多かったのだ。
いけばなをする人については関心がなかったので先入観もなく、40歳で草月に入門して初めて、楽しい世界に来たもんだと感じた。明らかに異なるタイプの人々が、バラバラのスタイルでいけばなをしていたからだ。まさに百花絢爛と呼ぶにふさわしい流派である。