虚心 250626
2025/6/26
一大事かどうかは関係ない。それが旅行に行くときにも当てはまる。私の場合は面倒臭いからという理由も加わるが、虚心で臨むことの愉しさや得られる成果は計り知れない。
昔シドニーへ社員旅行に行った。半日だけ1人で行動したくて、「ちょっと体調良くないから」とみんなをホテルから送り出し、遅れてホテルを出る。鉛筆を足元に投げ転がして、先っぽが向いた方角に歩く。次の分岐点で同じことをやる。引き返すことは禁止だ。遠くまで行ってしまうかもしれないし、近所をぐるぐる回り続けるかもしれない。
3~4階建てのアパートメントが立ち並ぶ一角で、私は1時間くらい写真を撮り続けた。今ならばストーカー行為になりかねない。パステルカラーの色とりどりの建物は、申し合わせたように窓々に金属製の魅力的なデザインの手すりが設置されていて、どの構図で切り取っても絵になるのだった。
いけばなでも同じで、私はあまり下準備をしない。メインの花材は決めても、その他は行き当たりばったりが多い。運を天に託すような気持ちもある。すると不思議で、いい感じに天が配剤してくれる。