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いけばな随想
diary

1杯の飲み物 250629

2025/6/30

 100円ショップ、ファストフード、缶コーヒー等々、効率よく大量につくることで利益を得る道がある。これはスローフードと逆向きで、心情的には賛同しにくい。しかし、手軽さに惑わされ、それらを受け入れて生活する私なのである。
 心を込め手間をかけたものが良い商品であるとは一概に言えないし、良い仕事振りであるとも言い切れない。それでも人は、マシンメイドにどっぷり浸かって暮らしながら、ハンドメイドを上位に置きたがるのはどういうわけだろう。
 今日、バーテンダー協会のカクテルパーティがあって、会費9千円。愛媛県内のバーテンダーが、腕によりをかけてカクテルをつくってくれる。思い込みかもしれないが、家で飲むより外で(バーで)飲む方が美味しいし、居酒屋で飲むよりバーで飲む方が美味しい。それは、グラス1杯の飲み物に対する手間の掛け方の違いだろう。
 それでも、手間を掛け過ぎると冷たい飲み物が温くなる。その点では、いけばなの1瓶も似ている。違うのは、口に入るカクテルの味は一定であることを目指し、目に入るいけばなの美は常に新しさを目指すことだ。

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