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いけばな随想
diary

アドリブ 251002

2025/10/2

 私はジャズが好きだ。歳を取れば取るほど好きになる。スタンダードな演奏も嫌いじゃないが、個性的なアドリブがツボにはまった演奏には心が躍る。
 言ってみれば、いけばなの型は楽譜に相当する。いけばなの花材は音符であり、各パートだ。テキストに掲載された型の写真通りに花をいけたら完成度の高い作品が出来上がるし、アドリブがうまくいけば万々歳である。またそれは、料理のレシピに相当する。レシピに一工夫してもっと美味しくなったら、これはもう満面笑みである。
 しかし待てよ? レシピ通りの料理を、本当に厳密に作れるのか? 楽譜通りの演奏を本当に正確に再現できるのか? 型通りの花を本当に写真通りにいけられるのか? ほとんど無理な注文であることに、やっと気付く私であった。
 ということは、楽譜やレシピや型というのは1つの指標であって、演奏や調理やいけばなは、どんなに指標を再現しようと思っても、取り組んだ人の数だけ微妙に異なった結果が生まれるのだ。没個性的に演奏しようという方が無理で、大なり小なり、みんなアドリブを利かせているというところだろう。

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