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いけばな随想
diary

技術と情熱 240516

2024/5/18

いけばなの技術が少しは上達してきたと思っている。技術は、学ぶことができるし、積み重ねていくことができる。一度身に付いた技術は、そう簡単に擦り減ることもないはずだ。華道の道は果てしないから、果てしなく技術力は上がっていくだろう。

ところが、何としたことだ! 情熱というやつが、なかなか厄介な代物なのだ。体温が上がったり下がったりするように、自分が自分でコントロールできないところがある。何かのショックですぐに萎えてしまったり、何かの弾みでたちまち燃え盛ったりする。

情熱が乗りに乗っているときは、制作の途中で気付いた失敗に対して、その事実を正面から受け止めて始めからせっせとやり直すことができる。ところが、情熱の火が消えかけていると、だいたいにおいて「ま、いいか」と、良かろうが悪かろうが立ち止まらず振り返らず、いい加減すぐに「できた」と言ってしまう。

技術があると、一定のレベルの物はつくれるだろう。しかし、情熱がないと、それ以上の物はつくれない。情熱があると、時にとんでもない物をつくることができる。仮に技術がないとしても。

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