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いけばな随想
diary

悪趣味 240602

2024/6/3

悪趣味の典型は、物質的な優雅さを第一義的に求める態度だ。何らかの理由でお金と暇を持て余すような境遇になった人が、無意識に浪費をすることは悪趣味ではない。彼にとって、その浪費は趣味でも何でもないからだ。

悪趣味のもう1つの典型は、礼節を欠くことだ。周囲に配慮せず大声でカスハラの振る舞いをしたり、ウインカーを出さずに右折する奴のことだ。右折専用レーンのない2車線の右側車線で信号待ちをしていて、青信号になってやっと右折ウインカーを出す奴も大嫌いだ。その車がウインカーを出さずに停まっているいるから、てっきり直進するだろうと思った後続の全車が待ちぼうけを食らうことになる。経験上、想像力のない我がもの顔の行為は、高級車と軽自動車に多い。
精神性に欠けるのは、騎士道や武士道の恥ずべきところである。いわんや華道においてをや。常に現在の自分に安住せず日々己を超えていく態度、自律と抑制の利いた態度、それをこれ見よがしにひけらかさないさま、そして、それをいけばなに表現する覚悟、それが中途半端に揺らいだ時、私のいけばなは悪趣味だろう。

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