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いけばな随想
diary

着るか着られるか 240604

2024/6/4

まだまだ続くダンディーの話題である。生物界全体では、オスが派手に着飾ってメスの気を引くというのが多数派だろう。しかし、特に維新後の日本の人間界では(?)、男がおしゃれに気を遣うのは女々しいことだというバンカラな気風があった。

その名残かどうか、昭和の時代もまだまだ「めかして出掛ける」のは女の仕事で、男は適当にいい加減な方が好感が持たれた。だから、洋服を完璧に着こなすというのは気恥ずかしいという男も多かった。

私が20年早くいけばなに出会っていたら、もっとおしゃれに気を使ったと思う。そして、「いけななは場にいけるもの」という原則に気付いていたら、人間もそうだという自覚にもっと早く目覚めていたはずだ。場にふさわしければバンカラでもいいが、ハイカラを気取るべき場では、ハイカラな装いをするほうが場が落ち着くし、場を盛り上げることだってできる。

自分のおしゃれに気後れする人ばかりだったら、そのパーティーは失敗に終わる。場にそぐわない人がたくさんいることになってしまうからだ。人間も、場にふさわしい花として振る舞うべきである。

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