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いけばな随想
diary

オペレーター 240709

2024/7/9

スマホによって写真家の職業的立場が揺さぶられたと思ったら、今度は生成AIで画家の領域が侵された。私は、スマホ出現を機にデジカメを手放したくちだが、生成AIについては直感的に敵対心を掻き立てられ、絶対世話にはならんぞと思っている。

スマホを使って感じるのは、使う人間の創作力よりも、それを使いこなす操作力によってクリエイティブが支えられているということ。オペレーターとしてどれだけ手際よく操作できるかによって、この端末の創造的(と錯覚する)機能を生かすことができる。

30年前、フイルム式カメラを抱いてニューヨークへ行った。4百数十枚の写真を撮った。気分としては、獲物を狙うハンターだった。フイルム代や現像代がもったいないから、実際にシャッターを切るのは、心の中で切る数の10%にも満たない。撮影時点ではどう撮れたかわからないので、現像されて戻ってきた出来上がりに一喜一憂して楽しむのだった。

いけばなにも技術は要るが、オペレーター的要素は少ない。即席は可能でも量産はできない。そんな面倒な楽しさも、いけばなを好きな理由である。

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