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いけばな随想
diary

意識 240805

2024/8/5

いちばん速いのは光速だと言われている。光は物質なのかどうかよく知らないが、他の物質が到達できる速度を全開にしても光速には追いつけない。

光速を超えられるのは意識でしかない。速さだけではない。逆に、自転車で超低速走行するのは難しく、独楽の回転にしても遅過ぎるとと安定が失われ、すぐに倒れてしまう。この遅さにおいても、安定を可能にするのが意識のなせる技である。

いけばなでは、満開の花だけを材料にするのではなく、開花した花と蕾の両方をいける。順番に咲いて、数日間はピークを保つからだ。店舗にいける場合など、世話をする手間やコストを勘案して、蕾だけをいけることもある。3日後の満開を期待していけて、当たると喜ばしい。確率を高めるためには、店の明るさやエアコンの風の当たり具合、1日を通した室温変化など、調べるに越したことはないとはいえ、コストが足を引っ張る。

結局は当てずっぽうで予想するわけだが、一応、花の意識を探る真似事は行う。「お花さん、お花さん、世界でいちばん美しいのはだーれ?」おだてておいて、3日後に確実に咲いてもらう。

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