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いけばな随想
diary

文化的いけばな 240822

2024/8/22

文化的な過ごし方というと、まず浮かぶのは読書だ。私の読書生活の最盛期は、中学生の時。吉川英治の『三国志』『宮本武蔵』『新・平家物語』等の大部を、夜な夜な読んだのもこの時期だ。私が理屈っぽくなったのは、文字へのこだわりが強過ぎたからかもしれない。度を超えていたため、家族から「屁理屈マン・キング」と呼ばれてもいた。

読書の次は習字で、小学2年から中学3年まで毎週通った。墨の香りが沁み込んだ部屋の縁側にはカナリアの鳥籠が吊られ、襖を隔てた隣室は琴教室だった。都合8年間、文化的な字と音と香りの洗礼を受けたと思う。

美術部員で過ごした高校時代は筆のすさびで終わり、大学の演劇サークルでは舞台美術も担当したが、雌の烏ではなく女烏の役で歌わされもした。そして20歳からは、前衛ロックバンドを組んだ。

こうしたキャリアが幸いして(災いして)、私のいけばなは叙述的である。語り口が多過ぎる説明的ないけばなだ。我ながら恥ずかしく思うけれど、屈折して理屈っぽい。昔から、文化人というのは鼻持ちならないと嫌われてきたように、文化人は複雑なのだ。

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