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いけばな随想
diary

華道のスタイル 240830

2024/8/30

華道が芸道として成立したのが16世紀、今から500年前である。

あるきっかけで、幸田露伴の『二日物語』のペーパーバックを買った。幸田露伴は1867年生まれだから、私より100年足らず年上だ。用語や句点の打ち方など現代の日本語のスタイルとまるで違っていて、とてもスラスラ読めたものではない。比較的簡単な部分を拾っても次の如くである。「汀凍れる衣川を衣手寒く眺めやり、出羽に出でゝ多喜の山に薄紅の花を愛で、……」

書き言葉の日本語のスタイルがたった100年でこんなにも変わってしまったことに比べても、日本人の生活空間や生活様式は、日本語のスタイル以上に大きく変わったようだ。そういうことなどと比べると、華道のスタイルの変化はとても小さく見える。華道の変化が歴史に追い付いていないとも感じられる。

伝統文化の範疇に入れられたことを、華道は喜んではいけない。いけばなも現代性で勝負できるようにならなければ、そのうちお蔵入りになってしまう。お蔵入りすると、もうデジタルアーカイブでしか見られない死んだ資料と化す。ポップさも必要な所以だ。

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