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いけばな随想
diary

風に乗る 240913

2024/9/16

風船唐綿(フウセントウワタ)の花は白く小さくてかわいい。花が萎れると、花だった部分は毛の生えた緑色の小さな風船に変化し、それはみるみる5cmを超える大きさになり、その奇妙に動物的な姿はなかなか言葉で説明しかねる。その中には何十個もの直径2mmの黒い種を宿す。数えたことがないから、ひょっとしたら百個を軽く超えているかもしれない。その種の1個1個には白銀に輝くミクロン単位に細長い産毛が密生していて、タイミングを計って外皮の風船が割れ、産毛のパラグライダーが微かな空気に飛行して、無重力かと見える様子で漂い運ばれていく。

動物は、積極的に動くことで生を掴み取るが、植物は違う。人間は、自分で考えて自分で動けないと学業や運動の成績は伸びないと思ってきたが、ひょっとしたら、人間も自分で飛ぼうとせず、風を掴み風に乗って飛ぶことが、その人生をよりよく送るためには大事なのではないかと思う。

風に乗るのは他力本願ではない。風を読むのも風に乗るのも難しい。空気の動きを観察し予測して、勇気をもって飛び乗ること行為は、すべて自分の意思による。

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