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いけばな随想
diary

念ずれば花ひらく 240914

2024/9/18

坂村真民さんの詩集のタイトルである。これは、一生懸命に念じて努力すれば願いは叶うというような意味に解釈される。そして、それ以上でもなくそれ以下でもないと感じていたから、詩集を手に取ったこともなく過ごしてきた。ただ、花という語には敏感だから頭に残っていた。「諦めない限り失敗ではない」という松下幸之助の言葉も自分自身に対する暗示で、当たり前と言ってしまえばそれまでのことである。

いま、ふと考えたのは、「念ずれば花ひらく」で「ひらく花」は自分自身のことを指すのではなくて、自分が対象とみなしているものが咲くのかもしれないということである。

あの人が成功しますように! と念じることが、少なからず良い結果を生んでいることは、親が子に対する念じ方が大いに作用しているだろうことからも類推できる。かといって、子には子の人格があるから、親の思うようにもならない。

いけばなは、そういう芸術なのではないだろうか。生花という材料は、御しがたい猫のようでもある。愛情の注ぎ方に比例するような簡単な話ではない。そしてまた、そうだからこそ面白い。

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