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いけばな随想
diary

サーカス 240919

2024/9/19

サーカスがなぜ人の心を捉えるか。猛獣使いや象の曲芸、空中ブランコや綱渡り、火吹き男やオートバイショーなどのめくるめく演目に加えて、ピエロの登場が欠かせない。演劇も、演芸を超えた総合芸術であるところまではサーカスに似ているかもしれないが、演劇の舞台にはピエロは現れない。

正直なところ、いけばな展はつまらない。総合プロデューサー不在で、個々の作家の発表会で終わってしまっているからだ。サーカスに比べて演目のバリエーションに欠け、抑揚のある演出がないから飽きがくる。

ショットバーを例に挙げると、スコッチウイスキーのボトルをどれだけたくさん並べてもそれは百科事典的陳列であって、そこにドラマがまだ生まれていない。

では、いけばな展を面白くするにはどうしたらいいか。言うは易くであることを分かったうえで言うと、「編集」の導入である。個々の作品の創造性は各作家の力量に任せるしかない。あとは展覧会場の作り込みである。二次的創造と呼んでいいかどうか、絵画の展覧会でも学芸員が全力を投じて企画展を開催しているアレ=見せ方の新しさ、である。

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