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いけばな随想
diary

仕入れと手入れ 240923

2024/9/23

表面が青々とした竹もあれば、白く埃った部分や黒い斑点がこびりついた竹もある。いけばなや建築で使われる青竹は“育ちの良い”ものを選んで切り出しているのであって、もとから汚れた竹は使い物にならないのだろうと思ってきた。

竹林に入って、自分でも数本の竹を切ったことが何度もある。もちろん、つやつやした竹を手に入れたくて目を凝らすのだが、実際にはなかなか綺麗な竹に出会えない。綺麗だと思って切っても、上の方に茶色くなった部分があったりして、希望に沿う完璧な竹は見つからない。だから、歳も取ったし、最近は竹屋さんに頼むことが多い。

かといって、価格交渉で安く抑えようとするから、竹屋さんも必要以上の仕事はしないのか、ほどほど汚れた竹も混じって納品される(竹屋が努力をしないとか目利きでないということではなく、彼は正しく仕事をしてくれている)。

さて、半月前に「正しい竹の磨き方」を知る機会があり、汚れた竹でも手入れの仕方で美竹になることを知った。金を払って品質の高い竹を買うか、労力を払って品質の良い竹にするかという問題だったのである。

 

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