自然と不自然 241105
2024/11/8
40歳代になって、アレルギーの症状が表れた。子どもの頃から海や川で泳ぎ、山でキャンプをしていた自分だっただけに、自然のフィールドと友達でなくなったような気がしてショックだった。しかも、いけばなを始めた時期と重なっているのが皮肉だ。以降、薬を飲んでいるにも関わらず花粉症の症状がしばしばやってくる。アレルギー検査を2度行ったけれど、原因は分からずじまいだ。
人口減少で都市開発も一段落してきた日本ではあるが、山と町(里)が近付き過ぎて「里山」がなくなってきたと専門家は言う。熊や猿が、人の生活圏に頻繁に出現している。熊や猿に言わせれば、逆に「最近ガンガン来るんよねー、遠慮のない人間が」と言われている(はずだ)。
そもそも自然というのは、人間が暮らす集落も含めて呼ぶのか、人間が立ち入らない聖域を指すのか。人間が働きかけた自然は、もう自然ではなくなるのか。
切り花は、もう不自然になった自然である。だから、いけばなで自然を表現することはできない。人間の作為と無縁なのが自然だとすれば、自然を売り物にした観光も不自然極まりない。