距離感 241207
2024/12/7
人間関係の距離は、ときに近しい人と遠くなったり、遠い人と急速に近くなったりする。趣味が同じ人同士の場合は、特にその現象が起こりやすい。
趣味が同じということで、その技術や知識が狭い範囲で重なっているため、ちょっとしたことに差異を見出してしまうから、普段は仲良くしていても、ひょんなことで対立したり対決したりすることもなくはない。また、異なる芸術分野で活動していたらいたで、いけばなをする人が書に手を出すと嫌悪感を示したりプレッシャーをかけたりするような書家もいる。
しかし、私は向う見ずに何にでも手を出すタイプで自信家でもあるから「まあ、何とかうまくいくんじゃね?」という姿勢だ。意見が食い違う華道家よりも、意見に重なりがありそうな音楽家の方が、自分との近さを感じる。門外漢だとしても、感覚(センス)が近い人にはとても親近感を覚える。
音楽に限らず、書道や絵画や、または医学や宗教やお笑いでも、表現するときに拠り所にしているもの(それは制作以前の思いや姿勢)を理解し合えると感じるとき、その人との距離感が限りなくゼロに近付く。