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いけばな随想
diary

〇〇好み 241220

2024/12/21

 草月の花器の裏側に、「蒼風好み」とか「宏」と記されたシリーズがある。初代家元と三代目家元が好んだものであるというしるしだ。
 私には自分がつくって他人に使ってもらえるような花器はないので、今後自分が制作して人前に出せるような自分の花器を手にしたいと思っている。これまでも、何度か地元の砥部焼の施設で創作体験をしたことがあって、頭の中には素晴らしい花器の構想があるのだが、成形してみるとイメージとは程遠いものになる。
 衣料や小物でも、オリジナルブランドを取り扱う店と、様々な商品を仕入れたセレクトショップとがあることを参考にすれば、花器についても自分で頑張るのもいいが、好きな花器を1つひとつ丁寧に買い集める方が、より質の高いものに囲まれて確いられる率は高いようにも思える。
 しかし、花器も花材の一部だという考え、つまり、花を花器にいけるのではなく、花器もいけばなの一部としていけるという考えに基けば、花器も自作である方がより好ましいということである。いずれ「汀州好み」の花器が世に出るかもしれないことを、自分で楽しみにしている。

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