無口ないけばな 241225
2024/12/25
家の花は、いけばなと呼ぶ必要もないくらい手を抜いたいけ方ができる。構想もなければ評価される心配もない、そこに黙って佇む花たちだ。これを仮に無口ないけばなと呼ぶことにしよう。
一方、展覧会でいける時は、良く見せたい一心でついつい饒舌ないけばなになってしまう。引き算のいけばなをしたつもりでも、花の数や作品の大きさに関わらず多弁ないけばなになってしまう。「なんぼでも、盛るでー!」「アッピールするでーっ!」と力が入る。
良く見せたいその心理には、2つの中身がある。1つはお客様から好印象を得たいというもの、もう1つは仲間や生徒さんなど同門の士から認められたいというものである。特に同門の目が鬼門だ。ええカッコしぃをしてしまうのだ。……しかし、SNSも厄介だ。やはり素人の目のほうが恐いのである。同門は作品制作のバックグラウンドまで想像してくれるが、素人は何のしがらみもなく情け容赦なく反応するからだ。
本気の本音で迫ると素人からは疎まれる(と思い込んでいる私)。だから、ポーカーフェイスで嘘のつけるいけばなができるようになりたい。