図らない 241231
2024/12/31
世の中は、モノとコトに溢れている。モノにはたいてい意図が含まれていない。コトは人が主体的に為すので大いに意図が含まれている。
いけばなは、「はな」というモノを「いけ」るコトで成り立っている。だから、いけばなには意図が含まれるはずなのに、図らずも、意図がないまま無心に(ボーッと、夢中で、がむしゃらに、惰性で……)いけている時もある。
不思議なのは、計画的にいけて計画通りに進んだ時、つまらない作品になりがちなのに対して、無心だったり我に返ったりしながら悩んだり迷った時の方が、結果的に自己満足度の高い作品ができることだ。自覚半分無意識半分というのがちょうどいいのかもしれない。
全く何も考えていないところからは何も生まれるはずがないけれど、日頃からあれこれ思い巡らしているところには、何かのきっかけで何かが芽吹いてくる。いけばなの制作については、様々な(かなり無限に近い)選択肢から1つのゴールを決め切る必要があって、その落とし所というのは、自分の意図と「図らないインスピレーション」や他人の「ふとした発言」などとの交差点だ。