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いけばな随想
diary

奇態 250508

2025/5/11

 高校の同窓会の集まりがあった。ゴールデンウィークはその絡みで諸先輩方にお会いする機会を得て、人生とは人さまざま奇態なものだと感じ入った。奇態という言葉は日常あまり使わなくて、使うとしたら風変わりなとか独特なという表現が多いと思う。ところがとても変わっているとき、風変わりくらいの表現では収まらなくて、出てきたのが奇態なという言葉である。
 いちばん驚かされたのは、94歳にしてヒコーキ野郎を現役で続けている先輩だ。聞いたままを書くと、空港に1日850円でずーっと駐機している自家用セスナがあって、こないだは二宮忠八を顕彰するイベントに合わせてちょいとひとっ飛び八幡浜上空まで行き、祝賀のために旋回して帰ってきたわとのこと。別の人の話では、彼の自家用車はボコボコだという。
 できれば他人に迷惑をかけない行動が望ましいが、奇態というのは多かれ少なかれ迷惑なものだ。これは自分を振り返ると否定できない。過去は洗い流せないので、未来に向けて罪滅ぼしをしていくだけである。
 植物にも時々奇態に出会う。いけばなで使うには、もってこいである。

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