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いけばな随想
diary

誰かと何かを 250703

2025/7/4

 販売促進(PR)の仕事を請け負う企画コンペでは、競うための人材調達として、デザイナーやコピーライター、カメラマン等のプロフェッショナルの獲り合いに始まり、ライバル社の過去の企画や他社の先進的デザインの研究や模倣など、勝つために何度も徹夜した。ビジネス世界での競争は、楽しかったけれど消耗戦であった。
 人間の経験を集積して賢いAIは、人間特有の感情的な弱味がないから、競争的共創も共創的競争もやってしまえるだろう。だが、私たちは一世代分の経験しかない人間的人間なので、誰かと何かをやると競争か共創のどちらかに傾きがちだ。
 隠居仕事では、誰かと何かを競うことが第一義的ではない。だから共創ができるはずだ。そして、共創には世界観や物語の共有が必要で、その骨格がしっかりしていると、何を何円でやるのかという枝葉の利害関係に左右されない。
 暮らしの中にいけばながある美しい世界観や物語を紡ぎたいと思う。必要ならば「いけばなの効用」などという美しくない武器を準備して、具体的に何に何円で協力していただけるのか、説き伏せることも厭わない。

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