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いけばな随想
diary

着崩した花 250708

2025/7/22

 子どもの頃、私にはハンサムな友人がたくさんいて、彼らが羨ましかった。私は痩せてガリガリで、それも嫌だった。とにかく思春期である。少年にとって容姿は人生最大の問題で、完全無欠な人間に憧れた。
 憧れの対象の1人はドイツのサッカー選手で、後にドイツの代表監督も務めたベッケンバウアーだった。日本人の顏は、欧米人の顏には負けてしまうと感じていたし、雑誌のグラビアでもアグネス・ラムなどのエキゾチックな可愛さに目が引かれていた。
 海外旅行に行き始めたのが29歳で、その頃からやっと欧米コンプレックスが抜け、美意識や趣味も変化したように思う。きめ細かい完成度よりも、粗削りな素朴さに美しさを感じるようにもなった。偏執狂的な細密画も好きではあるが、これはダークサイドの趣味として秘めておきたい。
 草月のいけばなに入門したのは必然で、ほかの流派に感じる緻密さに対して、草月には気取らない雑さみたいなのがあって、その雑さというのは、一張羅の服を敢えて着崩しているようなカッコよさを私は感じたのである。ちなみに今は、ハンサムコンプレックスもない。

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