消すということ250709
2025/7/22
野山では無数の草花が風景を成しているので、目を付けた「その花」を撮ろうと思っても、上手に構図を決めなければ「他の花」も一緒に写って、どれを撮ったのかわからない写真になる。
いけばなでは、「そこに」いけると決めるとき、背後にあるポスターがなければもっといいのにとか、横の本棚が邪魔になるとか、気になる物が周辺にいろいろあって困る。いけばなのために設えられた空間というのは、なかなかない。そう考えると、制約は多いとはいえ、床の間というのはありがたい空間だった。
花をいけるとき、野山とは違って、「そこに」いけるならば「そこ以外」からは基本的に花を排除する。へそ曲がりな言い方をすれば、花をいけるということは、周辺空間から意識的に花を排除するということでもある。ショットバーでいけるときも、「そこ」と「あそこ」以外の花は排除する。
ホテルや旅館に行って、ロビーや玄関まわりを見ると、そこの人たちがどれくらい空間に気を配っているかがよくわかる。自分のことは棚に上げて、気配りしている施設に共通するのは空間からの物の排除が綺麗なことだ。