伝わる表現 250714
2025/7/25
取扱説明書は豊かな表現力を重視しない。詩や小説は、論理的で明快であるかどうかより味わいや余情が大事で、思わせぶりなままテーマが見えないこともある。だからこそ、あちこち心が揺さぶられて感動するし、それが読み手の求めるところであるが、取扱説明書に文学的表現が多用されていたら、その無意味さに辟易させられるだろう。
伝わりやすさは、明快なわかりやすさという方向性や、何かわからないけれど記憶に残る印象の強さという方向性など、幅広い選択肢がある。何度か読むうちに手元に置いておきたくなった本に、澁澤龍彦の『高丘親王航海記』や『西脇順三郎詩集』などがある。これらは、全くわからない用語や部分で構成されていながら、全体としてはわかるという気がするのだ。
話はズレるけれど、私にとって現代の利器であるスマホや自動車なども、部品や機構は全くわからないけれどある程度使えてしまうくらいわかっているモノだ。
いけばなも、花木の名前を全く知らなくてもわかる人にはわかるし、ある人にとっては花の名前は知っていても作品としては伝わっていなかったりする。