つぼみと花 250801
2025/8/1
ポピー(ヒナゲシ)のオレンジ色に咲いた花も、明るく濃い赤色の花も、凛とした強さと儚げな可愛らしさの二面性が美しい。細くて長い一見弱々しい茎も、守ってあげたくなるように愛おしい。ところが、そのつぼみの姿といったら、毛の生えた蛇の頭のようだ。つぼみの表皮の一部が縦に割れて、蛇の口のように赤い色がチロチロと見え始めた時が、いちばん怖ろしい顔つきになる。
一方、ニゲラのように、つぼみから開花するまで一貫して怪しい姿を晒している花もあるが、彼らはポピーのつぼみほどには生々しくなく、花も薄い青紫の色味が上品で、軽やかでスタイリッシュな襟巻を纏っている感じ。宇宙からやって来た花みたいだ。
ともかく、ポピーのようにつぼみから開花までの変貌が大きいのは、蝶の幼虫が蛹を経て成虫になる変化に匹敵する。醜いアヒルの仔が白鳥に成長するドラマのようでもある。
一輪の花ですらこれだけ大きい変化を見せてくれるのだから、花を使っていけばなを作るのであれば、素材の花のイメージからもっと劇的に変化させていいはずだと、草月は言ってきたのではなかろうか。