記憶の化石 250914
2025/9/15
人間の記憶量はとても小さいうえに、老化に伴って減退し死とともに消える。手帳や日記やスマホやパソコンに記憶させていた「個の記憶」たちも、ほぼ眠ったまま化石化する。片やクラウド上の「衆の記憶」たちは、増える一方なのだろうか。
大昔からの動植物すべての記憶総量は、DNAレベルのものを含むと相当量だろうが、進化した記憶装置やネットワーク等を含む地球全体の記憶総量は、どれだけ大きいのだろう。総量が加速度的に増えると、1人の人間が思い出さなければならない物事は、生きている時間だけでは到底足りない。過去を思い出すだけでも追い付かないのに、記憶すべきことをこれ以上新しくつくっていかなければならない人生には、どんな意味があるのだろうか。
さて、小学校以来、世界の名画といわれる実物を、何百枚かは見てきた。写真や画像では、ひょっとしたら千枚以上見たかもしれない。いけばな作品も、気付けば相当量を見てきた。見れば見るほど自分の糧になるはず。それはそうだが、人間の記憶量はとても小さいから、捨てて捨てて常に空きを作っておくことも大事だろう。