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いけばな随想
diary

花の価値 251127

2025/11/27

 バラを見て、私の目は愉しいけれど、嬉しいというほどでもない。ポピーがあれば、私の目も心も切なさと愛しさが入り交じった気分に満たされる。ポピーの絵でも同じ気分だ。私にとってポピーは、哀愁や哀惜の情を呼び起こすシンボルだ。
 花で人生を送っていない人にとって、地球上にポピーが存在していることの価値など想像できないだろうし、また、なぜポピーなのかを説明したくても、その魅力を言い尽くせる言葉がこの世にないのだから仕方がない。「いけばなはいいですよ」という言葉も、それに価値を見出した私には必然だけれども、そうではない人には届かない。
 花より団子という諺には、時々の状況によって反発したいし、また同意せざるを得なかったりする。どんなに価値がある宝石も金も、土地も家も、他人の物は自分の物ではない。その点では、他人の物でも自分の物でもない、重信川の河原で揺れて咲く外来種のオオキンケイギクや、三ケ村泉の水底のクレソンに価値を見出すのは風流かな?
 枯れる花を使ういけばなも、萎れて枯れて原形を留められない。それに価値を置く姿勢は雅かもね。

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