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いけばな随想
diary

日常品質 251224

2025/12/24

 いけばなは日常的行為だ。昨日も今日もそこにあり、明日も明後日もそこにあって、日々の生活の質を高く保ちたい意識が表れている。この意識は、日本人の食生活の伝統にも表れていた。茶碗は陶磁器、汁椀は塗り物、箸は竹でも楊枝は黒文字というように細かい気遣いがあって、それは面倒だとは意識されず、平常心のもとにあった。
 レストランでフランス料理のフルコースというのは、日常ではなく特別なハレの出来事であり、いけばな展も日常のいけばなを発表する場ではなく、非日常的な創作作品の発表の機会である。このような非日常をいくら繰り返しても、これは文化として定着したものにはならない。
 花を飾るとか、食事を摂ることは、生活に根差しているから生活文化と呼ばれたこともある。しかし、わざわざ生活と文化とを区別したうえで合体させる必要はなく、日常の生活に表れている物事が文化なのである。
 日常の反復による文化に対して、芸術は非日常である。毎日毎日驚かされたり価値観を揺さぶられたりしていたら、平穏な日常生活を送ることができない。泰然自若ないけばなでありたい。

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