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いけばな随想
diary

グローバル化の草月 260126

2026/1/26

 19世紀、ヨーロッパ芸術として西洋絵画の伝統を揺さぶったとも評価されている。西洋美術は、上流に浮世絵が伝わり、日本趣味としてもてはやされると共に、階級の保守的な哲学や教養と、金銭的後ろ盾による囲い込みから、変革のチャンスを得にくかったのかもしれない。
 そんな堅苦しさを、異文化である日本の美術工芸品が現れることで、ことさら後ろ指を指されることなく変化を起こせたという見立てもある。日本人の与り知らぬところで、シニャックやゴッホのほか、たくさんの芸術家が日本の美術工芸を芸術として受け入れた。
 さて、1927年に興った草月流であるが、記憶しておかなくてはならないのは、初代家元の蒼風は、「人類に花の芸術を普及したるにより」インターナショナル・トロフィーをパリで受賞している。彼のヨーロッパでの評価が逆輸入され、日本でも「前衛いけばな」と呼ばれることになったが、現在の日本国民の大多数はこれを知らないし、草月人の認識も浅い。
 一方では幽玄の世界や、禅や、侘び寂びを目指す態度も捨て難く、他方では芸術の土俵へ上がる使命にもビビる私である。

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